Synchronization of Speech Rate to User’s Personal Tempo in Dialogue Systems and Its Effects, Yosuke Ujigawa・Kazunori Takashio(Keio Univ),2024 IEEE International Conference on Robot and Human Interactive Communication (RO-MAN),2024年8月

Every individual lives in daily lives in own unique tempo, called Personal Tempo. Tempo is also highly important in dialogue situations, and it is thought that if the tempo can be matched with the conversational partner, it will lead to smoother communication with a higher level of comprehension. Spoken-dialogue systems have been used in many situations, and by personalizing dialogue on the basis of the user’s tempo, it is thought that dialogue will be able to make it easier to speak and make people want to speak. Previous research has focused on methods for encouraging users to change their tempo to be in tune with the tempo of their dialogue partner. However, a conversation that differs from the user’s tempo can be stressful and burdensome for the user in the process of tuning in.Therefore, we define personal tempo as speech speed, which is the number of moras divided by the duration of speech and propose a speech-speed control method for spoken-dialogue systems. We implemented our method in a spoken-dialogue system that synchronizes speech with the user. We verified the effectiveness of the proposed method by analyzing its impact on the comprehension of speech and user impressions of the spoken-dialogue system. The results indicate that significant differences were obtained with the proposed method between impression and comprehension of the speech content.

植物×ARエージェントによる一人暮らしの中での発話促進,戸沢実・高汐一紀(慶大),電子情報通信学会技術研究報告,vol. 124, no. 143,2024年8月

パンデミック以降,対面コミュニケーションの減少と孤独感の増加が問題となっている.グリーンアメ
ニティとして部屋に飾られる観葉植物は,人間が愛着を抱きやすい最も身近な植物である.Mixed Reality 技術を活
用し,植物とのインタラクションを通じて信頼関係の構築と自己対話を促進することで,孤独感の軽減に寄与する.
エージェントが擬人化を促し,自己対話による発話を増やすことでセルフケアを促進する.観葉植物を対話相手と
する研究は,プライバシーを保ちながらポジティブな感情を引き出すことが期待される.

言語モデルを用いた発話内容に基づくFACS生成モデルの提案,小橋龍人・宇治川遥祐・高汐一紀(慶大),電子情報通信学会技術研究報告,vol. 124, no. 143,2024年8月

本研究では、発話テキストから表情を生成するモデルを提案する。
従来の研究では、音声から表情のアニメーションを生成する手法が提案されてきたが、
本研究ではテキストから直接表情を生成することに焦点を当てる。
出力はFACSに基づいたAction Unit(AU)を用い、
Transformerのデコーダを用いずにエンコーダのみで構成することで、
計算量を削減し、モデルの拡張性を高める事を目指す。
また、スライディングウィンドウ方式で学習を行い、トークン毎に生成することで時系列に沿った生成を可能とする。
学習には、WEB上に公開された動画を収集し、表情検出と文字起こしを行ってデータセットを構築した。

ストレス緩和を目的とした握るロボットの検討とプロトタイピング,塩谷明日香・秀島裕樹・高汐一紀(慶大),電子情報通信学会技術研究報告,vol. 123, no. 394,pp. 35 – 40,2024年2月

親しい人に手を握ってもらうと安心したり,ストレスが和らぐ効果がある.入院中などの隔離された環境や一人暮らしの家庭では人と触れ合うことができないため,ストレスを抱えている際に人の代わりに手を握ってくれるロボットを提案する.本稿では病院でのフィールドワークを踏まえ,ロボットを抱える強さによりストレスの有無を判断する手法の提案と,ぬいぐるみ型ロボットのプロトタイピングを行なった.ロボットを抱える強さとストレスの関係性について調べるため,タスク時と安静時でロボットを抱える強さを比較した.結果として,タスク時では安静時に比べて弱い力でロボットを抱えていることがわかった.今後は,ロボットを抱える力が弱まったタイミングでロボットに手を握らせることで,ストレス軽減への影響について検証する.

痛みに関する自己開示を促す対話ロボットの検討,島田愛里・宇治川遥祐・高汐一紀(慶大),電子情報通信学会技術研究報告,vol. 123, no. 394,pp. 41 – 46,2024年2月

本研究は,慢性的な痛みを抱える人を対象として,ユーザの違和感に気づく対話システムを構築することを最終的な目的としている. 従来,先行研究の多くは見守りを目的とした雑談機能に注目しているが,痛みを聞き出すことに着目した研究は多くない.主観的な感覚である「痛み」を言語化して正確に伝えることなどの痛みに関する自己開示は困難である.そこで,ユーザとの日常会話から,ユーザが痛みを感じていることを検知して,痛みについて詳しく聞き,内容を記録,共有する対話システムの実装を目指し,本稿では「痛み」

共通基盤構築過程におけるモダリティの影響分析を目的とした協働タスク課題の提案,緑川詠介・宇治川遥祐・高汐一紀(慶大)・東中竜一郎(NTT),電子情報通信学会技術研究報告,vol. 123, no. 394,pp. 47 – 52,2024年2月

著者らは,ヒューマンロボットインタラクションへの適用を目指し,協働タスク中の人間同士の対話における共通基盤構築過程を分析,同プロセスを円滑に進める要因について調査してきた.しかし,協働タスクとして設定した課題では,作業と対話を同時に行う必要があることから非言語行動が表出しづらく,モダリティによる影響の分析が困難という問題があった.そこで本稿では,モダリティによる共通基盤構築への影響分析を実現する新たな協働タスク課題として共同物語並び替え課題を提案する.本課題の特徴は,作業と伝達のフェーズの分離および物語の並び替えに着目する点である.提案タスクを用いて予備的な対話実験を行ったので,その分析結果を報告する.

パーソナルテンポに同調する発話システムの実装と評価,宇治川遥祐・高汐一紀(慶大),電子情報通信学会技術研究報告,vol. 123, no. 347CNR2023-30,pp. 25 – 30,2023年1月

人間は日常生活の中で、パーソナルテンポと呼ばれる自分独自のテンポをキープしている。対話の場面においてもテンポの重要性は高く、対話相手とテンポを揃えることができれば、スムーズかつ理解度がより高い会話につながると考えられる。本稿ではパーソナルテンポをモーラ数を持続時間で割った値である話速で定義し、ユーザの話速に合わせて発話するシステムを実装する。内容の理解度への影響を分析する事で、対話への有用性を検証する。