Sociable Robots Lab 説明会

今年度より、高汐研究室(Sociable Robots Lab)では研究室の体験・説明会を行います。
当日は高汐教授と研究内容について相談できる場も設けます。
秋学期からの履修を考えている方、気になっている方は是非ご参加ください!

  • 日時 : 2019年7月18日(木) 6限(18:10 – 19:40)
  • 会場 : 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス Κ12
  • 参加費 : 無料
  • 内容
    • Sociable Robots Labとは?
    • 履修についての説明
    • 所属学生の研究テーマ説明・デモ実演
    • 履修や研究テーマの相談

Social HRI/HAI 新人課題

Who Are You Talking to?

課題内容

二人のユーザとPepperが会話をしている想定で,Pepperにインタラクションの状況を理解する様々な機能を追加する.

  • 悲しい表情をしている人の方を向く機能
  • 人が話していることを検知する機能
  • 誰が話しているのかを推定する機能
  • 人がPepperともう一人のユーザのどちらを見ているのかを推定する機能
  • 「誰が誰に向かって話しかけているのか」を推定する機能 (extra課題)
  • …人が話している間,最も話者が向いていた方向の人(ロボット)が話しかけられている対象とみなす

実装環境

  • Softbank Robotics 社 Pepper
  • Choregraphe (GUIを使ってPepperのプログミング開発ができる)
  • Python 2 (Choregrapheのプログラムをカスタマイズするのに使用)

目的

  • 画像情報や音声情報からコミュニケーションに関する情報を取得する体験をする

背景

  • ロボットが人とN対Nの対話をするには,人が誰に向けて話しているのかをロボットが認識する必要がある
  • 既存研究では,視線(または視線の近似値として頭部の向き)や発話の韻律情報(ロボットに対してはゆっくり喋るなど),体の揺れ,発話内容などをもとに,人が誰に対して発話を行なっているかの推定が行われている.
  • 新人課題では,もっとも古典的な手法として,発話中の視線情報をもとに受話者を推定するプログラムをNaoqi上に構築してもらう.

MIDDLE 新人課題

イライラ棒ゲーム

ルール

イライラ棒をするロボットマニピュレーションシステムの制作をします

  • 使用するロボットはPepper
  • こちらが用意するイライラ棒装置と棒を使用してもらう
  • ロボットは各々が作成したマニピュレーションシステムで動かす
  • 制限時間は5分
  • 枠に当たった場合、並びに棒がスタートとゴール以外からはみ出た場合はその場からやり直し
  • 枠に当たる、はみ出るのは5回までとする

使用機材/言語

  • Pepper
  • コントローラ(以下から選択)
    • PS4 コントローラ
    • iPad
    • Joycon
  • Javascript(QiMessaging)

目的

  • システムの設計、実装を経験する
  • ロボットモーション制作を体験してもらう
  • ロボットと他デバイスとの通信について学んでもらう

HARD 新人課題

リアル風船バトル

ルール

3行で
  • タミヤのカムロボットをベースとしたロボットを製作する
  • 有線以外の方式で制御できるように改造し
  • 手段を問わず相手の風船をすべて割れば勝利だ!
くわしく

試合進行について

  • 相手の風船を全て割るか、試合終了時ロボットに残っている風船が多かったオペレータを勝者とする
  • 攻撃方法は問わない
  • S103の大テーブル上1:1で対戦する
  • 対戦時間は5分間とする
  • 風船の奪取は不可とする
  • 対戦中、ロボットのオペレータはピットインを宣言できる
  • ピットイン時の、一度の調整は2分までとする
  • 一度の試合につき、ピットインは2回まで宣言可能とする
  • 調整後、30秒間はピットインを宣言できない
  • ロボットを破壊されたり、制御不能となり、ピットインを宣言できない場合、そのオペレータを敗者とする

ロボット本体について

  • タミヤのカムロボットをベースとしたロボットを製作する
  • カムロボットの前部,左右に風船を取り付ける
  • 風船の取り付けには、必ず3Dプリンタで作成したアダプタを使用する
  • 操作方式・コントローラは問わないが、有線でのコントロールは不可とする
  • 使用するモータ、履帯は問わない(履帯を使用しなくてもよい)
  • 風船の防御は、風船自体を覆うものでなければ可能とする
  • アクチュエータの追加は1つまで可能とする
  • 内燃機関・火器は禁止とする

ハードウェア要件

操作方式(例)

  • 赤外線
  • Wi-Fi
  • Bluetooth
  • zigbee
  • フォース
  • サイコミュ

参考

アキバツアー

  • 希望者を対象に、アキバツアーを実施する。平日の方が人がいなくてよい

目的

  • ロボットを構成する機械・電気電子・情報の3分野に触れ、設計・製作・運用する
習得するもの/キーワード
  • CAD
  • 3Dプリンタ
  • フィジカルコンピューティング
  • 制御
  • 回路設計
  • Arduino

2019 春学期新人教育プログラム

はじめに

2019年春学期,弊研究室では「新人教育プログラム」を実施します.
こちらのプログラムでは,設定された課題に取り組み,基本的なスキルを身に着けてもらうとともに,研究内容の一部を体感してもらいます.

研究室には以下の3つのグループがあります

  • HARD
  • MIDDLE
  • Social HRI/HAI

新人の方々には,興味分野が定まっていればいずれかのグループ一つの課題,まだ決まっていなければすべてグループの課題に取り組んでもらいます.


1. HARD

現在ロボットが最も普及・発達しているのは産業分野である.工場の生産ライン等での単一作業に特化させることで,ロボットは価値を提供している.一方,予てよりサービス業や家庭でのロボットの活用が期待されてきた.しかし,日本ではこれまで数々の家庭用ロボットが市販されてきたにも関わらず,初代AIBOの発売から20年となる今日においても,パーソナルロボットの活躍はメディアの中に留まっているのが現状と言えよう.
20年前とは比べ物にならないほど通信インフラやファブリケーション設備が普及した今,まず本グループでは

  • 社会における諸問題は何によって解決すべきか?
  • それは本当にロボットが必要なのか?/ロボット技術を応用できないか?
  • パーソナルロボットが本当に必要とされる領域はどこか?
    • それは技術の積み上げによるものだろうか?
    • 人が欲しいと思うもの,使われるものとは何か?

といった問を議論する.そしてそれらの課題から自分が欲しいもの/作りたいものを実装・検証する.

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2. MIDDLE

石黒氏の研究を発端として,ロボットに対するユーザの印象を評価する研究は盛んに行われてきた.実用的なロボットやツールを研究する場合,システムの定量的評価も必要である.画一された手法があれば理想であるが,実際はシステムの要件やシチュエーションによって,評価軸や手法が変化してしまう.そこで本グループでは,HAIを対象としたシステム評価手法の網羅的なサーベイを行う.蓄積された手法はScrapboxにまとめることで,今後の研究の参考となる評価手法リストの作成を目標とする.

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3. Social HRI/HAI

コミュニケーションロボットは,家庭やオフィス,教育現場,介護現場,医療現場など実社会での活躍が期待されている.本グループでは,多数の人やコンピュータ,マシンなどが複雑に関わりあって成立している現実の生活の中に溶け込む多対多のHuman-Robot Interactionをデザインし,以下のコンセプトを実現する.

  • ロボットが「新奇性」ではなく「親近性」の点で人々に受容される
  • 人同士や人とコンピュータを繋ぐ立場として,ロボットが社会生活内の創発を促す
  • ロボットが積極的に行動し,刻々と変化する状況に対処する

これらの実現によって,ロボットとユーザの間の信頼関係が構築され,単に人の仕事を減らすのみならず,状況に応じ人やコンピュータとの連携を含んだタスク(スケジュールに合わせて車を手配する@オフィス,体調が悪そうな人を見つけて介護士を呼ぶ@介護現場,生徒間での教えあいを促す@教育現場 etc.)のプランニングとその実行をロボットが行うことができるようになる.

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