ModuRo ソフトロボットのためのプロトタイピング環境:ak1ra

工場を主な活躍の場としてきたロボットが,今や生活の中でありふれた存在になろうとしている.一方,従来の硬く力強いロボットは,共に人間と協働する際に凶器となったり,恐怖心を煽るものであった.そこでロボットの構造や外装,アクチュエータにやわらかさを付与する試みがソフトロボットである.ソフトロボットはサービスロボットのみならず,バイオメカニクスや産業・医療の幅広い領域に応用が始まっている.一方,ソフトロボットはこれまでは簡単なプロトタイピングが難しかった.そこで本研究では,ソフトアクチュエータの一つである形状記憶合金を備えたモジュラロボット “ModuRo” を開発し,ソフトロボットの円滑なプロトタイピング環境を提案する.ModuRoの2種類のプロトタイプを実装し,アクチュエータとしての性能評価とぬいぐるみ型ソフトロボットのプロトタイピングにおけるユーザビリティテストを実施した.性能評価では,ソフトアクチュエータが安定した出力を発揮していることがわかった.ユーザビリティテストでは,ModuRoシステムと既存のコードベースのプログラミングに表現力の有意差は見られなかったが,ModuRoを用いることによる作業効率向上が示唆された.