Motivating for Human Behavior

Outline

一般的に,人は不特定多数の人に対してある一定の行動を促す時,張り紙の文字表記やアナウンスの言語音声などで指示をする.他方,犬や猫などの動物は人に一定の行動を促したい時,動作や鳴き声で意思を訴える.人は,動物に対して始めから 完璧な意思伝達を求めず,彼らの挙動から意図を読み取ろうと試みる. 結果として,動物は自らの己の挙動から人に行動意図を想像させ,間接的に行動を促すことが可能となる.動物が用いるこのような間接的な行動誘発の手法は効率的とは言えないが,人の想像力を用いて自発的な行動を誘発する為,言語に依存する事も少ない. そこで本研究では,人に対して行動誘発する手法として,日常的に存在する「モノ」を意思のあるかのように動作させる.この時,人はそれぞれの使用言語や年齢に関わりなく,更に人に不快感を抱かせずにモノの行動意図を想像させ,自発的な行動をとらせるような,行動誘発の手法を研究する.

Vision

日常的に存在するモノの動作を通して,人の自主的な行動を誘発する事が可能になる.一方的な行動指示とは異なり,人がモノの行動意図を読み取ろうと想像力を働かせることで,行動を指図される事に対する不快感を抱きにくく,行動目的を果たした際に達成感を得られる可能性もある.例えば,行動範囲の規制が取られている空港内などでの誘導法として有効性が期待できる。新型コロナウィルスの蔓延により,空港内ではハイリスク国からの渡航者とその他の利用者が接触しないような対策が講じられているが,明確な棲み分けができていない現状がある.そこで,非言語的で自然な行動誘発を加えることで利用者に不快感を与えずに範囲を制限しつつ,安全を確保することができる.

Project Research

本研究 では,間接的に人に対して行動誘発する手法として,日常的に人が見慣れているボールを「犬」と「猫」の挙動を元 に意思のあるかのように動作させる.この時,人はそれぞれの使用言語や価値観に関わりなくモノの行動意図を想像し,不快感を抱かずに自発的行動をとるか検証する.

Publication

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