モダリティと対話者間関係性が共通基盤構築過程に与える影響の分析 , 古谷優樹・齋藤光輝・小倉功裕(慶大)・光田 航・東中竜一郎(NTT)・高汐一紀(慶大), 信学技報, vol. 121, no. 397, CNR2021-32, pp. 25-31, 2022年3月.

ロボットやバーチャルエージェントが人と自然に対話するためには,ユーザーとの共通基盤を構築することが不可欠である.人間同士の対話における共通基盤の構築過程を調査した先行研究は少なく,その多くはテキストチャットをベースにしたものである.そこで本研究では,対話のモダリティ,および,話者間の社会的関係性に着目し,これらの要素が共通基盤の構築過程に与える影響を調査する.具体的には,対話のモダリティとして音声または映像,話者間の関係性として初対面または知人という条件において,話者間で共通基盤が構築される対話の収集,および分析を行った.その結果,より多彩なモダリティやより深い社会的関係性が共通基盤の構築を加速させることが示唆された.本研究で収集したコーパス,および,分析の結果はロボットの研究開発にも有用である.