Expression Amplifying Robot ~ 会話の中での表現力を増強するロボット ~ : 樫井亜依, 高汐一紀, 徳田英幸, 信学技報, vol. 116, no. 106, CNR2016-3, pp. 11-16, 2016年6月.

現在,様々なタイプのロボットが,あるものはコミュニケーションパートナとして,またあるものは労働力として,我々の日常生活を支えてくれている.コミュニケーションを支援するロボットの種類は多く,アバタ(アイデンティティの象徴)として機能するものもあれば,それ自身が会話相手として振る舞うロボットもある.本稿で我々は,H2Hのコミュニケーションを補助するロボットシステムEx-Ampを提案する.本ロボットシステムは,感情の表現力を増幅するロボットであり,ユーザの感情を理解するパーソナルロボットとして動作し,ユーザの側で,ユーザの代わりとなって感情を身体表現する.感情を身体表現することが困難なユーザも,本パーソナルロボットを使うことで,自身の感情表現の自由度を上げることが可能となる.今回,我々はスマートフォン上での表情検出機構と組み合わせ,検出された表情をロボットの動作トリガとして利用する機構を実装した.さらに,H2Hコミュニケーションにおける表現力向上の効力を,四肢麻痺状況のユーザを想定した評価実験を通して検証した.