HRIにおける割込み時の会話順合意形成コーパスの構築にむけて,堀江拓実, 山口留実, 桑原多瑛, 渡辺巧登, 高汐一紀, 信学技報, vol. 119, no. 446, CNR2019-52, pp. 41-46, 2020年3月.

日常生活において,会話の最中に割込み者が現れて全くコンテキストの異なる会話への参与を求めてくることがしばしば起こる.この割込み場面において,会話参加者らは会話順についての合意形成を行わなければならないが,会話順合意形成タスクは短時間で公正さを追求することが求められるという特徴を持つ.我々は,割込みが発生した際にどのように会話順についての合意形成が行われるかについて分析を目的とした人–ロボット間の会話コーパスの構築を目指している.本論文ではコーパスの設計と分析の指針について議論する.

[優秀発表賞] 遠隔者の多人数会話への参与を支援するテレプレゼンス仲介ロボット, 堀江拓実, 山口留実, 桑原多瑛, 古谷優樹, 伊賀理心, 飯森優斗, 勢子雄大, 高汐一紀, 第34回 人間情報学会講演集, pp. 9-10,2019年12月

多人数参加型のテレコミュニケーションでは,Fact-to-Faceでの場合と比較して遠隔者の非言語的な振る舞いが伝 わりづらく,会話における発話権の取得が困難,すなわち会話に参加しにくいという問題を抱えていた.この問 題に対し,テレプレゼンスロボットの身体性を強化しアバターロボット化することで,遠隔者の非言語的な振る 舞いを直接的に他の参与者に伝え,発話権の取得を支援する手法が議論されている.しかし,これらの手法では 実際に話者交代が起こるかは受け手の判断に依るため,不確実性が高い.本稿では,仲介者としてより積極的に 遠隔者の発話権の取得を支援するエージェントソフトウェアを搭載したテレプレゼンスロボットの実現を目指し, その第一段階として,遠隔者の会話参与状況と被注視状況の関係性について分析する.

http://www.ahi-soc.info/pdf/34thAHI_proceedings.pdf

Virtual IoT: An IoT Platform with MR Technologies Realizing Low-cost and Flexible Notification of Life-support Information,Kentaro Taninaka, Kazunori Takashio, IoTaIS2019,2019年11月

Virtual IoT: An IoT Platform with MR Technologies Realizing Low-cost and Flexible Notification of Life-support Information
Abstract : The miniaturization and decreasing cost of networking computers, along with the advancement of cloud infrastructure has eased the implementation of IoT products for manufacturers. The increase in such products has led to the rise in IoT devices with information provision function. However, it is difficult to make products display information in consideration of the design on the surface, like daily commodities, since it requires the device to have a wealth of computational resource. In this paper, we propose Virtual IoT System, the approach which adds information-giving functions to the non-computing objects using Mixed Reality technology. This system enables appropriate things to give adequate information at the appropriate timing. In this paper, we explain the detail and design of Virtual IoT System. In addition, we conduct an experiment to evaluate the usability and expressive power of Virtual IoT system.

Video Gaming with Emotion-Expressive Virtual Rival Agent, Shinsuke Kiyomoto, Kazunori Takashio, 信学技報, vol. 119, no. 267, CNR2019-38, pp. 79-80, 2019年11月.

With the evolution of computer gaming hardware causing entertainment to change, on-screen PvP video games still remain to be the most popular option. Most of these games have a game mode versus CP(Computer Player). However the experience in such modes can lack satisfaction on the player side due to the lack of engagement, challenge, and involvement. This research will design and evaluate an auxiliary system that enhances the experience of playing against CP by using an on-screen virtual agent. Emotion will be synthesized through an emotion engine using the game state as an input, and the agent will display facial expressions and appropriate utterances.

空間内へ溶け込むテレプレゼンスロボットの実装と評価, 古谷優樹, 堀江拓実, 高汐一紀, 信学技報, vol. 119, no. 267, CNR2019-37, pp. 77-78, 2019年11月.

テレプレゼンスロボットなどに搭載されているビデオチャットでは,遠隔で会話に参加している相手の背景が見えてしまうことによって,相手が別の空間にいるということが意識されてしまう.そこで我々は,ビデオチャットにおける相手の映像の背景部分のみをテレプレゼンスロボットが置かれている場の背景映像に入れ替えることで,遠隔参加者との一体感が高まりコミュニケーションがより活発になる,という仮説を立て研究を行なっている.本研究ではシステムのプロトタイプの実装および評価実験を行い,背景をロボットが置かれている場の画像に置き換えることで会話の活発度や遠隔者の存在感の向上に寄与することが明らかになった.

[学生講演奨励賞]気を引く画面内エージェント ~ 特定方向注視しているように見える画面内エージェント ~,渡辺巧登, 高汐一紀, 信学技報,vol. 119, no. 189, CNR2019-15, pp. 19-23, 2019年8月.

近年3DCGキャラクタが普及し,対話型エージェントのアバタとして画面内エージェントに使用されつつある,しかし画面内エージェントではモナリザ効果というユーザに対する注視が曖昧になる問題が存在する.本研究では注視対象を瞳に映す手法と背景をユーザに追従させることにより空間の共存感,及び一体感を与える手法を提案する.実験用に注視対象を手動で選択できるエージェントを作成し実験と評価を行った.

ロボットの会話における擬似感情の音声的表現, 桑原多瑛, 堀江拓実, 高汐一紀, 信学技報, vol. 119, no. 81, CNR2019-2, pp. 7-11, 2019年6月.

ロボットと人の会話において,会話の盛り上がりを半減させる要因の一つに音声が単調である事があげられる.人同士の会話では,会話中の音声に感情の変化が現れる.これを踏まえ,ロボットの会話内容に含まれる擬似感情を発話音声により表現する手法を提案する.その場合,会話履歴から感情変化の流れを考慮することでより自然な音声になると考えられる.実装したロボットの音声により,人とロボットとの会話でコミュニケーションの円滑化が見られるかを検証する.

ロボットによる対話割込み制御のための会話管理モデルの提案, 堀江拓実, 高汐一紀, 信学技報, vol. 119, no. 81, CNR2019-11, pp. 55-60, 2019年6月.

ロボットが実社会で使われる場合,第三者による現在進行中の会話への割込みを考慮する必要がある.特に,それまでと無関係な内容の会話をロボットと行うための割込みの場合,ロボットは割込み前と後の複数の会話をスケジューリングし実行しなければならない.本研究では,まず実際の人間同士の会話の分析に基づいて割込みに対応するために必要となる会話について整理する.そして,会話コンテキストを定義し,会話コンテキストスイッチングによって複数会話を同時管理するフレームワークを提案する.

v-IoT における連想概念辞書を用いたモノと情報のマッチング, 谷中健大朗, 高汐一紀, 信学技報, vol. 119, no. 81, CNR2019-8, pp. 37-42, 2019年6月.

計算機の低価格化及び小型化やクラウド型情報インフラの整備により,様々な IoT 製品が登場した.近年では,ユーザに対し能動的に生活支援情報を提示する機能を持つ機器も増えている.しし,日用品等,表面的な形状を考慮した情報をモノ自身から提示することは難しく,既にスピーカやディスプレイが搭載されている機器から多種多様な情報が提供されているのが実情である.本研究では IoT 機器化困難なモノを仮想的に IoT 機器化する手法,v-IoT システムを提案,その有効性について検証を行った.

着せ替えによりキャラクタメイクするロボット, 高井陸, 宮本凜太郎, 高汐一紀, 信学技報, vol. 119, no. 81, CNR2019-6, pp. 27-30, 2019年6月.

人は人形に衣服の着せ替えを行うことで,その人形にキャラクタ性を与える.コスプレもまた同様に、 外見から自身のキャラクタを作り出す行為であろう.パーソナルロボットにおいては,外見のカスタマイズの意 義やその心理的影響に関して議論されてこなかった.本研究では,ユーザがロボットの外装を付け替えることで, ロボット自身がキャラクタを意図的に変化させるロボットを実装し,着せ替えという行為によりロボットに対し 愛着が高まるか,および他人のロボットとの違いを感じるかを評価する.